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予防接種(インフルエンザ、新型コロナウイルス、肺炎球菌、帯状疱疹)

予防接種の基本的な仕組み

予防接種の基本的な仕組み

予防接種は、体内に弱毒化した病原体やその一部を接種することで、免疫システムに「敵」を認識させ、抗体を作らせる方法です。この仕組みによって、将来同じ病原体にさらされたとき、速やかに免疫が働き、発症を防いだり、症状を軽減したりします。

予防接種のメリット

  1. 感染のリスクを減らす
  2. 重症化を防ぐ
  3. 周囲への感染拡大を防止する
  4. 医療費の削減(病気の予防により、将来の医療費や治療負担を軽減)

では、各種ワクチンについて具体的に見ていきましょう。

1. インフルエンザワクチン

インフルエンザとは?

インフルエンザは、毎年冬季に流行するウイルス感染症です。38℃以上の発熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が特徴です。特に高齢者や慢性疾患を持つ方は、肺炎や心不全などを併発しやすく、重症化のリスクが高まります。

ワクチンの効果と接種のタイミング

インフルエンザワクチンは、流行が始まる前の10〜12月に接種することが推奨されます。接種から2週間程度で効果が現れ、約4〜6か月持続するとされています。

接種対象者

  • 65歳以上の高齢者
  • 心臓病や糖尿病などの慢性疾患を持つ方
  • 妊婦、医療従事者

接種の効果

ワクチン接種を行うことで、発症率を約60%減少させ、重症化や死亡リスクを大幅に下げることが確認されています。

2. 新型コロナウイルスワクチン

新型コロナウイルスとは?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年末から世界的に流行した感染症です。発熱、咳、息切れ、味覚・嗅覚障害などの症状を引き起こし、肺炎や急性呼吸不全などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

ワクチンの効果と接種スケジュール

新型コロナウイルスワクチンは、複数回の接種(初回接種、追加接種、ブースター接種)が推奨され、各ワクチンの種類(mRNAワクチン、ウイルスベクターワクチンなど)によって異なる接種スケジュールが組まれています。接種後の発症予防効果や重症化予防効果は高く、特に高齢者においては重症化リスクを大幅に軽減することができます。

接種対象者

  • 12歳以上の全ての年齢層
  • 免疫力が低下している人(基礎疾患を持つ方など)
  • 高齢者(特に65歳以上)

ワクチンの種類と副反応

新型コロナウイルスワクチンには、mRNAワクチン(ファイザー、モデルナ)やウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ)が含まれ、それぞれの副反応も異なります。一般的な副反応としては、接種部位の痛み、倦怠感、発熱などが挙げられます。

3. 肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌感染症とは?

肺炎球菌は、肺炎の主な原因菌の一つであり、特に65歳以上の高齢者や免疫力の低い人々にとって重篤な感染症を引き起こします。肺炎に加え、髄膜炎や菌血症などを併発するリスクもあります。

ワクチンの効果と接種のタイミング

肺炎球菌ワクチンには、23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)と13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)の2種類があります。これらを組み合わせることで、より広範囲の菌株に対する免疫を獲得できます。

  • PPSV23:65歳以上の全ての高齢者に接種推奨
  • PCV13:慢性疾患を持つ方や、免疫力が低い人に推奨

接種対象者

  • 65歳以上の高齢者
  • 慢性肺疾患、糖尿病、心疾患を持つ方

ワクチンの効果

肺炎球菌ワクチンの接種により、肺炎球菌性肺炎の発症を予防し、重症化リスクを減少させることができます。

4. 帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹とは?

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる痛みを伴う皮膚症状です。特に50歳以上で発症率が高まり、治癒後も「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれる慢性的な痛みが残ることがあります。

ワクチンの効果と接種のタイミング

帯状疱疹ワクチンには、従来の生ワクチンと、より新しい組み換えワクチン(シングリックス)があります。組み換えワクチンは、生ワクチンよりも高い予防効果を持ち、特に50歳以上の方に推奨されています。

接種対象者

  • 50歳以上の全ての成人(特に帯状疱疹の既往歴がない人)
  • 免疫力が低下している人

ワクチンの効果

帯状疱疹の予防効果は90%以上とされ、特に新しい組み換えワクチンでは帯状疱疹後神経痛のリスクも大幅に減少することが確認されています。

まとめ

予防接種は、自身の健康を守るための有効な手段です。インフルエンザ、新型コロナウイルス、肺炎球菌、帯状疱疹といった感染症に対する予防策として、定期的にワクチン接種を行いましょう。特に高齢者や基礎疾患を持つ方々は、早めの接種を検討し、健康な生活を維持するための対策を積極的に取り入れてください。

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